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ユーザー事例:株式会社プライムポリマー様

2015年9月 作成
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プライムポリマーの主要3工場に導入し生産計画業務の標準化を実現
実績を評価し三井化学、三井・デュポン ポリケミカルでも導入

国内のポリオレフィン事業を牽引するプライムポリマー。三井化学と出光興産の包括提携の一環として誕生した同社は生産スケジューラにFLEXSCHEを導入し、出自の異なる工場の生産計画業務の標準化を推進し生産性の向上を図っています。
同社は2008年に姉崎工場に導入し、その結果を評価して市原工場や大阪工場に展開、さらに類似製品を取り扱う三井化学と三井・デュポン ポリケミカルでも導入。FLEXSCHEの採用を拡大した理由は、その優れた柔軟性を高く評価したからです。 FLEXSCHEを軸に標準化を実現するとともに、FLEXSCHEの柔軟性を活かしてより使いやすいシステムへと進化を続けています。

生産計画業務の標準化により工場全体の生産性向上を図る

株式会社プライムポリマー
株式会社プライムポリマー

国際競争が激しさを増す化学業界においてポリオレフィン※事業の国際競争力の向上を図るべく三井化学株式会社と出光興産株式会社の包括的提携の一環として、2005年に設立されたのが株式会社プライムポリマーです。 同社は三井・出光の両社がグローバルに展開してきたポリオレフィン事業に関して生産・販売・研究のすべての面で統合し、事業規模の拡大と事業価値の最大化を図っています。 同社の事業の柱は袋や容器などに多用される熱可塑性樹脂のポリエチレンと、自動車部品や家電製品など幅広い分野で利用される軽量で耐熱性に優れたポリプロピレンの2つの合成樹脂です。 この2つの合成樹脂で国内最大級の生産規模を誇る同社が目指すのは製品や技術、サービスを安定的・持続的に提供し、お客様から最も信頼されるパートナー「プライム ソリューション パートナー」となることです。
同社の国内工場は関東と近畿、中国にあり各工場から全国のストックポイントに在庫を確保し、お客様への安定供給を実現しています。 同社の設立当初、統合によるシナジー効果を高めるうえで生産性の向上は重要なポイントでした。 三井化学株式会社 システム部 事業支援グループ 松田正太郎氏(2015年3月まで株式会社プライムポリマーに在籍)は当時の生産性面での課題について次のように話します。
「生い立ちの違う会社の工場が一緒になったため市原工場は既存の他社製生産スケジューラ、大阪工場は独自開発した手組みのシステム、姉崎工場はExcelによる手作業と生産計画のやり方もツールも別々でした。 生産計画のやり方の違いや業務の属人化が業務プロセス・オペレーションの統合や生産性向上の実現における課題となっていました」。
同社は工場全体の生産性向上を目的に新しい生産スケジューラを導入し業務の標準化を図ることにしました。2007年に新生産スケジューラの導入プロジェクトがスタート。 「最初に導入検討を進めたのは姉崎工場です。同工場はExcelで生産計画を作成していたため計画変更時の作業負荷が高く、そのことも一因となり生産計画修正頻度を下げる運用がスタンダード化し販売機会の損失や在庫レベルの高い状況が続いていました。 こうした状況から一刻も早く抜け出すために生産スケジューラの導入が急務でした」。 ※ ポリオレフィンはオレフィン系の高分子化合物の総称。

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多品種連続生産プロセスに適用できる生産スケジューラとしてFLEXSCHEを選択

松田正太郎氏
三井化学株式会社
システム部 事業支援グループ
マネージャー
松田 正太郎 氏(2015年3月まで
株式会社プライムポリマーに在籍)

同社のものづくりの特徴は多品種連続生産プロセスにあります。ポリプロピレンやポリエチレンの生産は大きな反応炉に連続して原料を入れ、1つのプラントで何十という種類の製品を連続的につくりわけていきます。 ロスを少なくするため性状的に似ているものを順番に変更しながら生産していきます。 「さまざまな生産上の制約に加え、銘柄数約700、お客様数1000以上といった複雑な条件のもとで人間のノウハウを活かした生産計画立案が『文化』として定着しており、完全自動スケジューリングを目指すことは当社の企業文化に合いませんでした」(松田氏)。 同社が求める生産スケジューラのコンセプトは「人間が考えることに意味のないところは徹底的に自動化を行い、人の判断を必要とするシーンで効率よく情報を活用し経験を活かした意思入れを計画にフィードバックできること」(松田氏)。 このコンセプトを実現する生産スケジューラには優れた柔軟性が求められました。
また周辺システムとの連携面も重視しました。「単に生産スケジューラだけを導入するのではなく当社の業務システムの中に組み込むことが重要なポイントでした。 当社独自の社内システムSTAFF(S-Navi)※で管理しているマスタやデータとの連携や他の業務システムとの連携により業務のスピードと質を高めていく。 また立案した結果を基幹システム(SAP)やSCP(Supply Chain Planning)システムにデータ連携するといった当社の生産計画サイクルのニーズに応えることも必要でした」。 同社のものづくりにおける企業文化を活かすことができる生産スケジューラをいかに実現していくか。この難題を解決する生産スケジューラとして同社が選択したのがFLEXSCHEでした。
FLEXSCHEを選択した理由について松田氏はこう話します。「既存の他社製生産スケジューラは柔軟性に課題がありカスタマイズするために多くの時間とコストを要しました。 一方、FLEXSCHEはカスタマイズしやすい柔軟性を有しておりコストパフォーマンス面でも優位性がありました。 開発元が日本であることの安心感に加え、当社のシステムの構築や運用で支援していただいている横河ソリューションサービスさんがFLEXSCHEのパートナーだったこともポイントとなりました」。
また周辺システムとの連携面ではシステム間をしっかりと結合するのではなくCSVファイルにより他のシステムとの連携を柔軟かつ容易に実現できる点も評価しました。
※「S-Navi」は生産管理に必要なマスター、データを一元管理するWebポータル
※「STAFF」は販売計画立案、販売管理、在庫管理等多様な機能を持つ業務ポータルサイトの総称

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プライムポリマーの主要3工場に導入
三井化学、三井・デュポン ポリケミカルでも導入

2008年夏、同社はFLEXSCHEの採用を決定しフィット&ギャップを行い、 設計を開始しました。設計で重視したのが「実際に業務で使いやすい」という運用の観点でした。例えば生産順序の並べ替えの計算ロジックのカスタマイズではこれまで人間が頭の中で考えていたことを計算ロジックに落とし込んでいきました。
「当社では製品をつくる量とタイミングを決めるときに次回の生産タイミングにおけるその製品の在庫を予測することが必要です。 変更が入った場合の計画の調整は従来は需給バランス表と生産計画表をにらめっこして手作業で行っていましたが、いまは計画担当者が『この順番でつくりたい』という順番を入力すると、生産スケジューラ側でその順番でどれだけつくればいいのかを計算してくれます。 生産順マスタと生産サイクルを変えることでシミュレーションも可能です」。
2009年末から月次計画でFLEXSCHEの利用を開始。2010年度から年度計画(予算)でもFLEXSCHEを使い始めました。「Excelで月次計画を作成する場合、すべて転記しなければならなかったのですが、そうした手間が不要となりました。 また年度計画(予算)は従来すべて手作業で入力していましたから変更が入ったときは大変でした。いまは計算ロジックを利用して自動化を図り、従来一週間かかっていた作業を数時間で完了しています」と松田氏は話します。
同社は姉崎工場でのFLEXSCHEの実績を評価し市原工場や大阪工場に展開、さらに類似製品を取り扱う三井化学や三井・デュポンポリケミカルの工場でも導入(図1)。 使いやすさのブラッシュアップやFLEXSCHEの新機能の活用などシステムを発展させていきました。
例えば2011年度の市原工場への展開では各資源上での作業順序を調整するFLEXSCHEの差立てチャートをベースに計画の編集機能の充実を図りました。
「当社における生産計画の作成は将来の計画を毎回作りなおすのではなく、最新の在庫情報や市場動向などから既存の計画を評価し見直しを行うスタイルです。 需給バランス表等の帳票をレスポンスよく出力できること、編集画面上で修正が容易にできることは計画作業の迅速化に直結します」。
生産スケジューラの横展開で難しかったのはいかに基本的な枠組みを変えることなく工場毎の要望に応えていくか。 「FLEXSCHEを軸に標準化を進めることは各工場の担当者に理解してもらいました」(松田氏)。今回のシステムにおけるキーポイントは、同社の社内システム「STAFF」とFLEXSCHEとの連携です(図2)。 既存の生産スケジューラは「STAFF」と連携していなかったためマスタの変更のたびに手作業で入力していました。いまは基幹システムのSAPに新しい品目が追加された場合、自動的にマスタが追加されFLEXSCHEで新規品目の利用ができます。
同社の業務システムのポータルとなるS - N a v iの画面からFLEXSCHEのマスタを管理し、最新のCSVファイルを即時に出力できることも特徴的です。 最新の月次生産計画などのデータのダウンロードもS-Naviを通じて簡単に行えます。
「柔軟なモデル構築が可能なFLEXSCHEであるがゆえに、複雑な多品目モデルをつくったときに標準のマスタメンテナンス機能だけではマスタの精度を保つことが困難になることは容易に予想できます。 当初からS-Naviとの連携を前提において同時に設計・構築を進めたことで、この弱点を補い利用者の利便性を向上させ、かつシステムの円滑な運用を実現することができました。 またマスタと同時に販売計画、受注、在庫のデータを同じデータベースに持っているため、マスタに登録されていない販売・在庫が発生したときもアラートメールで利用者に知らせることが可能です。」(松田氏)
S-Naviの仕組みはFLEXSCHEを導入した三井化学や三井・デュポン ポリケミカルでも採用し活用しています。

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生産計画業務の標準化を実現 SNSを利用した情報共有も開始

FLEXSCHEの導入効果について松田氏は次のように話します。 「従来工場毎に異なっていた生産計画業務とそのツールの全社統合の実現により業務の標準化やノウハウの共有が図れました。 工場全体の生産管理を行う本社の生産管理部門の業務効率も向上しています。また業務の属人性が解消され担当者のローテーションもスムーズです」。
工場だけでなく本社の生産管理部門もFLEXSCHEを活用しています。日々変化する市場に対応するため、S-Naviから提供される最新の販売見込みデータを用い、フレキシブルコンテナから25kg袋までさまざまな荷姿の包装計画を自動計算させています。
同社は主要工場へのFLEXSCHEの導入が一段落したことで利用者の声を再度ヒアリングし、今後のシステム改善・業務改善につなげる取り組みを行っています。 その一環としてグループウェアを活用しユーザーやシステム担当、横河ソリューションサービスなどの間で情報の共有を実現しています。 「問い合わせやノウハウの共有がスピードアップしました。また過去の経験なども蓄積できることから情報の有効活用も可能です。 生産計画担当者は工場内での業務となるため遠く離れたユーザーの横のつながりを広げる試みはこれからも積極的に行っていきます」。
今後の展望について「今回FLEXSCHEをプラットフォーム的に活用していますが、パッケージの標準機能とカスタマイズ機能との住み分けを最適化し、1つの道具としての整合性を高めていくことが今後の課題として考えられます。 また横河ソリューションサービスさんにはFLEXSCHEによる生産スケジューリングシステムを一緒に育てていただきましたが、まだまだ進化の途中です。 これからも当社とともにシステムをさらに成長させていくためにご協力をお願いいたします」と松田氏は話します。
「プライム ソリューション パートナー」としてお客様のビジネスの発展に貢献するプライムポリマー。お客様に製品を安定的・持続的に提供する生産計画業務の要としてFLEXSCHEはこれからも同社の事業と信頼を支えていきます。

図

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パートナーの声:横河ソリューションサービス株式会社

早川 健次 氏
ERPビジネス本部
ソリューション2部 3Gr 主任
早川 健次 氏

プライムポリマー様が2007年に生産計画業務の標準化を図るべく生産スケジューラの検討を開始した当初から、姉崎工場、市原工場、大阪工場、さらに三井化学や三井・デュポン ポリケミカルの工場でも採用していただき、当社は長年にわたりシステムが成長していくプロセスに携わらせていただきました。 プロジェクトリーダーである松田様のリーダーシップのもと、システムを成長させていくという貴重な経験は当社の技術者の成長にもつながりました。 「業務で利用するシステムはどうあるべきか」を常に考えながら仕事に取り組むことの大切さは今回のプロジェクトで私たちが学んだことの1つです。

野沢 祐 氏
ERPビジネス本部
ソリューション2部 3Gr
野沢 祐 氏

ユーザー様の声をお聞きできたのも非常に有意義でした。 その際、当初、現場独特の用語がなかなか理解できないでいたところ、同社の情報システム部門の方に間に入っていただくことで現場のニーズを把握することができました。 同社はもとより同社が製品を提供するお客様のビジネスの発展に欠かせないのが生産スケジューラです。これからも同社のパートナーとして、同社とともにシステムをさらに大きく育てあげていくべく努力を重ねてまいります。

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お客様DATA

株式会社プライムポリマー

本社 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
設立 2005年4月1日
資本金 200億円(三井化学65%、出光興産35%)
従業員数 712名(3月末時点)
工場・研究所 市原工場、姉崎工場、大阪工場、産包材研究所、自動車材研究所
事業概要 ポリプロピレン樹脂・ポリエチレン樹脂の製造・加工・販売
URL http://www.primepolymer.co.jp/

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