展示会出展のちょっと裏側
フレクシェ社は今週、製造業向けの展示会『第11回生産システム見える化展』(2019/7/24-7/26)に出展します。弊社は創業2年目の2002年以来、各地のさまざまな展示会に出展しており、おそらく30回は超えているのではないかと思います。ネットの時代に展示会?と思われるかもしれませんが、ふだんの活動ではあまり出会うことのない方々と対面して話ができる大切な機会であり、また「フレクシェはちゃんと頑張ってやってますよ~」とプレゼンスをアピールする場でもあるので、コンスタントな出展は欠かせないのです。
そもそもこの文章を読まれている方の大部分は出展経験がないでしょうから、今回は先月開催された『スマートファクトリーJapan2019』(2019/6/5-6/7)への出展の内情を赤裸々(?)にご紹介します。
出展するためには、まずは展示会場内の区画を主催者から借ります。出展規模に応じた広さを確保するわけですが、この手の展示会の相場は一坪当たり概ね17~20万円といったところです。高いですね~、会期3日間、設営期間を含めても5日間のために。
借りるのは床だけなので、上物(ブース)は別途設営しなくてはなりません。コストを抑えるならばチープなシステムパネルで組み上げる方法もあり、これならば床代金の2~3割相当程度で作れますが、無数の出展社が居並ぶ展示会では目立ってなんぼですし、信用を得るためには見てくれも重要なので、ここは気合を入れて造るしかありません。そうするとどうしても床代金を上回ってしまいますが、出展目的を果たすためにはやむをえません。
もちろんブース設営は専門家に依頼するのですが、業者によってクオリティと費用はまちまちです。弊社は業者を固定しているわけではなく、1~2年おきのコンペで選定するのですが、弊社(というより私?)のテイストをよく理解して常に的確な提案をする株式会社スリービーのデザイナー・田山さん(写真左奥)が、なんと「10年間無敗の男」です。たいしたものです。社長の三橋さん(左手前)もね。
ブースの壁には、私がイラレ(Adobe Illustrator)で作成したデータを巨大な紙にプリントして貼ってもらいます。以前は経師紙仕上げの単色壁に製品説明のパネルを並べるだけでしたが、8年前から今のスタイルに移行しました。大きなグラフィックは視覚的なインパクトがあって素敵だと思うのですが、どうでしょう?
ブースへの来場者にお渡しする資料セット(カタログ、事例記事、ノベルティなどを詰めたもの)は手作りです。みんなでぐるぐる回りながら作っていきます。出展規模によっては1時間を超えることもあり、回り過ぎてバターになってしまう人も。
ブースは会期直前の2日間に渡って設営されます。それと並行してオフィスでカタログや資料などの印刷物、PC、モニタ、カタログスタンド、スピーカーなどを揃えておけば、赤帽のドライバーが設営中のブースまで運び込んでくれます。会場のお台場はオフィスから近く、ボリュームもちょうど軽トラック1台分に収まる程度なので、コストパフォーマンスは申し分ありません。
今回の会場は初の「東京ビッグサイト青海展示棟」でした。ビッグサイト本棟が東京オリンピックプレスセンターとして徴用されてしまうために利用が制限され、代わりにこの仮設棟が割り当てられたのです。仮設ではありますが、りんかい線東京テレポート駅のすぐ近くなので、実はかなり便利です。オリンピック後に解体してしまうなんて、もったいないですね。
ちなみに展示棟の近くのVenusFortにはお手頃なフードコートもあり、席に余裕があるのでランチにも困りません。これも本棟より良い点ですね。
さて、フレクシェブースの正面にはマスコットキャラクタ「ロボ田」の漫画をバックライト付きで掲示されています。これはビリヤード漫画でおなじみ(?)の岡Q先生に描いてもらったもので、当社のウェブサイトにも掲載されているものです。ブース側面へ回り込むと、ストーリーの続きと結末を印刷したタペストリーが見つかります。
上部の「お前会社を潰す気かぁ!!」という強烈なセリフは、マンガの中の工場長のセリフで、昨年から展示会で使っています。B2Bの展示会ブースにしてはいささかアグレッシブ過ぎて、あるいは不快に感じる方もおられるかもしれませんが、マーケティングは受け手の「引っ掛かり」を作ってなんぼなので、ごめんなさい、いわば確信犯です^^;;
実際、「この文言がすごく気になって聞きに来ましたっ!」と言ってプレゼン開始を待つ若者や、私の方へツカツカと歩み寄ってきて「いやぁ、これとまったく同じセリフを僕も30年前に言われたよぉ」と嬉しそうに声を掛けてこられる年配の方などがいらっしゃいました(なぜ私が犯人だと分かったんでしょう?)。まぁ、期待以上の反響といえますね。
この展示会は比較的簡素なブースが多かったためか弊社のブースは目立ったようで、会場では展示会業界紙(!)のライターから取材の依頼を受けて、出展のコンセプトやブースデザインなどについてお話ししました。掲載された号を先日送っていただきました。
ブースの込み具合は時間帯によってまちまちです。説明に使う8台のPCがすべて埋まってプレゼンにも20名近い聴衆が集まる時間帯もあれば、人っ子一人いない時間帯もあります。極端です。展示会によっては基調講演がある時間帯は人が少ない、などといった因果関係は読めることもありますが、今回はよくわかりませんでした。もちろん確率論的には始終人数が一定であることの方が極めて希少なことなので、むしろ当たり前ではあるのですが、いずれにせよ、機会ロスを防ぐためには想定するピーク時を基準に人員体制を整えておく必要があります。
この出展規模ではスタッフは15名前後ですが、ご存知(?)のとおり弊社はスタッフがとても少ないので、半分は手伝いに来ていただいたパートナー企業の方々です。いつもありがとうございます。写真は毎日のブリーフィングの様子。
PC8台に対して説明員が15名前後は多いのでは?、と思われた方もおられるかもしれませんが、マイクと大画面でのプレゼン、個別応対後の所感の記録(後で適切にフォローできるよう緻密に書き残してもらっています)、休憩などがあるので、結構ぎりぎりの人数です。
説明員は以前はスーツ着用でしたが、夏はたとえ空調があっても暑くてたまりませんし、説明員なのか来場者なのか見分けがつきません。そこで4~5年くらいまえからポロシャツに統一しました。これはすこぶる好評ですね。
説明員のタスクはFLEXSCHE製品を来場者に説明することです。出展社によっては「名刺集め」を目的化しているケースもありますが、弊社は真逆で、その場で「FLEXSCHE製品を知っていただくこと」を重視しています。そのために実機でFLEXSCHEを操作しながらデモや説明をします。さらには来場者が抱える課題をお聞きして、それをFLEXSCHEでどのように解決できるかをその場で提案したりします。結構スキルが求められます。30分程度はざらで、ときには2時間くらい話し込むことだってあるのです。
さて、展示会といえば打ち上げが欠かせません。下手するといちばん大切かもしれません。ただし遠方から来られるパートナーが多いので(大阪、愛知、山形、新潟など)、打ち上げは最終日ではなくその前日の夜に行います。たいていは大井町の居酒屋での飲み放題が基本で、フレクシェらしく終始リラックスして楽しい雰囲気です。ちなみに次の展示会の打ち上げはアップグレードする予定なので、参加者の皆様は乞うご期待!
展示会の説明員は基本的に立ちっぱなしなので、最終日ともなると脚が悲鳴を上げます。二次会まで行って二日酔いの人もいそうです。みなさまお疲れさまです。普段移動の多い営業部長(写真)ですらこんなですから、いつも座りっぱなしで、なおかつ最近の増量傾向にある私なんぞはひとたまりもありません(>_<)
最終日の17時になったとたんに無数の作業員が一斉になだれ込んで来て、あわただしく解体作業が始まります。我々が手早く荷物を梱包するのと並行して、ブースはあっという間にずたずたに壊されて無残な姿に成り果て、兵どもが夢の跡、といった風情です・・・。ブースデザインを共通化したので、造作したテーブルとカウンターを保管してもらって次の展示会で再利用できることが、せめてもの慰めですね。
荷物を送りだしたら、そのまま解散!おつかれさまでしたっ