生産スケジューラを誰にでもわかるように説明してみる
生産スケジューラがどんなものかイメージ出来ている人って多分すごく少ないんですよね。製造業の人でも生産管理に携わってない人だと知らない人の方が多いんじゃないでしょうか。そんなマニアックなソフトウェアを製造業に関わりのない人にもわかりやすく解説しちゃおうというのが今回のテーマです。
生産スケジューラとはぶっちゃけて言うとモノを作るときの段取りを立てるツールです。
どんな時に必要なのか説明するためにキャンプにいってみんなでカレーライスを作る段取りを試しに立ててみましょう。なんかどっかで見聞きしたことあるようなシナリオですね。
カレーライスを作るのはAさんBさんの2人です。
まず必要な材料を列挙してみます。
- 玉ねぎ
- 人参
- ジャガイモ
- カレールー
- 豚肉
- サラダ油
- [隠し味]
- お米
- 水
今日のカレーのメインは豚肉です。隠し味はお母さんに聞いてください。
次に用意する道具を列挙します。
- なべ x 1
- 包丁 x 2
- まな板 x 2
- 飯盒 x 1
最後にカレーライスを作る手順を確認しましょう。
<カレーを作る手順>
- 玉ねぎを皮をむいて切る(5分)
- 人参を皮をむいて切る(5分)
- ジャガイモを皮をむいて切る(5分)
- サラダ油を引いて具材を炒める(10分)
- 水を加えて煮る(20分)
- カレールーを加えて煮込む(15分)
<ご飯を作る手順>
- お米を洗う(5分)
- 飯盒に水とお米を入れて浸しておく(30分)
- 飯盒を加熱してお米を炊く(25分)
- 炊き終わったら蒸らす(10分)
<カレーライスを作る手順>
- ご飯をよそってカレーをかける(5分)
必要な情報はそろったのでここから段取りを立てていきます。
単純に順にやっていくだけでは効率よく短時間で作れないのはなんとなくわかりますよね。
考えないといけないことは
- 人数が限られていること
- 手順は並行して行えること
- 道具が限られていること
です。人数が限られているのでうまく手分けする必要があります。手順は並行して行えば時短できますが、道具が限られているので同時にやれることが限られます。
これを頭の中で整理して段取りを立てるのはなかなか難しいですよね。ここで登場するのが生産スケジューラです。生産スケジューラはモノを作るときの上記のような制約を考慮して計画を立てることができます。
具体的にFLEXSCHEで計画してみましょう。
まず人や道具は「資源」に登録します。包丁とまな板は数量を二つにしておきます。
次に材料を「品目」に登録します。途中の作成物と完成物もここに登録します。途中の作成物はカレーとご飯で完成物はカレーライスですね。
最後に手順を「工程」に登録します。コツは手順を一直線につなぐのではなく並列して行えるところは枝を分けて登録するところです。また人や道具に限りがあるのでそれらを各手順に必要なものとして割り当てておきます。お米の浸水やご飯の蒸らしはずっと人がついている必要はないのでそのように設定しておきましょう。
これでマスターの登録は完了です。では13時にカレーライスが食べられるように計画を立ててみましょう。カレーライスを納期を13時にして「オーダー」に登録します。
ガントチャート上に表示されているバーが各人がその時間帯にやらなければならない「作業」です。ちゃんと計画を立てることで単純に足し合わせると135分かかる手順が70分で終わることがわかります。
また人が増えたら、とか道具を増やしたらどうなるといったシミュレーションも簡単に行えますね。テントの設営や撤収なんてものも計画に組み込んでしまえばきっとあなたは段取り名人と呼ばれることでしょう。
実行中の進捗を「作業実績」として入力することで、例えばある手順に予想以上に時間がかかっているときに適宜再計画して完成がいつくらいになりそうだといったことを見積もることもできます。
いかがだったでしょうか?生産スケジューラが少しイメージできましたか?
実際の製造現場はもっと工程数も多く、複雑な制約があったりします。それらをちゃんと考慮して実行可能な計画を作ることで生産スケジューラFLEXSCHEは円滑なモノづくりに貢献しています。