スタッフ座談会エンジニア編<前編>
取材日:2018年5月
フレクシェ社の中核である、開発部のエンジニア3名による座談会を開催!登場するのは開発部長の樋口、豊富なIT業界経験を持つ安広、フレクシェ社最年少のSNです。仕事への向かい方やフレクシェ社事情などについて語っていきます。前編では、3人のちょっと変わった経歴とFLEXSCHEエンジニアの働き方にフィーチャーします。
Q.エンジニアとして活躍するお三方のご経歴を教えてください。
まずは安広さんから。
- 安広
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僕自身、二人のことをしっかりと聞いたことがないので気になりますね。
- 樋口
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じゃあ安広君、いこうか。最初に就いた仕事は?
- 安広
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大学卒業してから、システム会社にエンジニアとして就職しました。IT関係の仕事をしてみようと思って就職活動をして決まった会社です。だいたいそこで5年くらい働いたのかな。
- S.N
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そこではどんなシステムを開発をしていたのですか?
- 安広
-
僕がやっていたのはCTI(Computer Telephony Information)や鉄道の線路保全のためのシステムなどの受託開発。鉄道関係の開発に携わっていた時は一般の人が入ることができない鉄道会社さんの秘密の場所に行くこともあって面白かったですね。そこを退職した後は技術者派遣を行う会社に所属して、いろいろな現場を転々としていました。その会社では正社員というわけではなく、会社が受注した現場にエンジニアが入り、その案件が自分の収入に直結するという個人事業主のような働き方でした。
- 樋口
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最初の会社はどうして辞めちゃったの?
- 安広
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僕、そこの会社ではそれなりに仕事ができる方だと思っていたんです。だけど社外に出たら自分の評価はどうなるんだろうと考えて、もといた会社を飛び出すことにしたんです。そこでモータースポーツ(F1)関連のソフトウェア開発や医療関係など様々な現場で仕事をするようになりました。
- 樋口
-
いろんな現場に行っている中では『デス』なところはなかった?
- 安広
-
ありましたよ〜、デスマーチ。思い出したくもない(笑)。公営競技のシステム開発でした。とりあえず僕の状況に限れば休みはあったし、泊まりで仕事ということは少なかったですけど、同僚の中にはかなり大変そうな人もいましたね。最初の会社でも、社内で寝袋に入って寝ている上司もいましたけどね。
- 樋口
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そんな楽しい仕事をしていたのに(笑)、どうしてさらに転職を?
- 安広
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その案件の契約が切れたタイミングで、次に自分がやるべき案件が決まっていなかったのでこの機会にちゃんと転職しようと思ったんです。そこで数社受けて、フレクシェに入社することになりました。それが2010年の12月ですね。
- S.N
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どうしてフレクシェ社を選んだんですか?
- 安広
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正直なところどういう会社なのかはよくわからずに入ったんだよ。採用広告の写真が社長と樋口さんがにこやかに談笑しているもので、服装も自由でラフな雰囲気の会社なのかなという印象を受けて、なんとなく面白く仕事ができそうだなと思ったんだよね。
- 樋口
-
実際、入ってみてどうだった?
- 安広
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本当に良いところだと感じました。ただ、それまで培ってきた仕事への自信をことごとくなくしてしまいましたね。僕なんか、比較にならないレベルでデキる人たちばかりだったので。
- 樋口
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いやいや、そんなことないよ。
- 安広
-
いやいやいや!最初の頃、年度末に賞与のことなどを話される面談で、相当自分を卑下していたと思います。賞与がでるだけ有難いくらい、周りの人よりも成果を出しているという自負が一切ないような状況だったので。でも、働き方や収入面など、全ての面で前職よりも良い職場でしたね。
- S.N
-
採用プロセスはどんなものでしたか?
安広の採用面接時の課題(一部)
- 安広
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面接が3回あったんだけど、いきなり社長の面接からだったことには驚いたね。あとは筆記とプログラミングの課題を出されたよ。作業ビューワーのようなものを作ったなあ。
Q.S.Nさんのご経歴を教えてください。
- S.N
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僕は前職がないのであまり話すこともなくて、入社前は学生をしていたんですけど……。
- 安広
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ほら「一応、なんとか大学です」って言わないと(笑)。
- S.N
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やめてくださいよ(笑)。東京大学で学生をしていたんですけど、特にやりたいことも見つからずプラプラしていたときに、所属していたバドミントン部の監督だった先田さんに「今、うちの会社で人を募集しているからどうだ」と声をかけていただいたんです。
- 樋口
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やることが見つからないなら採用試験を受けてみろ、と。
- S.N
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そうなんです。仕事自体もソフトウェア開発というのは他の仕事と比べて面白そうだなと思ったので、まずは飛び込んでみようと決めました。
- 安広
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ちなみにプログラミングの経験はあった?
- S.N
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文系でしたし、まったくないです。パソコンやソフトウェア関係のことにも疎い学生でしたし、プログラミングを覚えたのは入社後です。
- 安広
-
どんな採用試験だった?
- S.N
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最初は筆記試験と、FLEXSCHEのトレーニングの受講をしました。
- 樋口
-
そもそも職種がエンジニアと決まっているわけではなかったしプログラミングの知識もないから、安広君と違ってプログラミングの課題を出すこともできなかったんだよね。それでトレーニングを受けている様子を見て、飲み込みの早さはどうか、というようなことを見た。
- S.N
-
そのあと二回面接をして、採用が決まりました。仕事を始めてから適性を見てどんな職種になるか決めると言われて、「見習い」という肩書きの名刺を持って仕事を始めました。
- 樋口
-
そのあと、いろいろな業務を経験したよね。
- S.N
-
そうですね。FLEXSCHEのことをよく知るために主にサポート業務をしていました。あと本来フレクシェ社ではやっていない業務ですが、実際の導入作業にも関わりましたね。
- 樋口
-
とりあえず経験させようと、現場に放り込んだんだよね(笑)。一般的な導入作業よりもライトな現場だったんだけど。
- S.N
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要件定義は望月さんにサポートしてもらいましたしね。ユーザーさんとやりとりをしながらFLEXSCHEの設定をして、1年かけて導入しました。少しですが、アドイン開発もやりました。
- 安広
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その中でエンジニアの適性を見いだされていったわけだ。
- 樋口
-
営業ってガラじゃなかったしね。
- S.N
-
僕自身の興味もエンジニアの仕事の方にあったので良かったです。
Q.樋口さんのご経歴を教えてください。
- 樋口
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俺も学生時代の経歴はSN君とほとんど同じなんだ。東大に行ったけど、卒業していない(笑)。ラグビー部に所属していて授業にも出ず、入部から4年で引退した時にはまだ2年生をやってた。ラグビー部の寮も出なくちゃいけなかったから、なんとか食っていくために居酒屋のバイトをしていた。でもその仕事、夜は遅くなるので午前中の授業に出られず、いよいよ卒業が危うくなってきたから、違う仕事を探していて、大学の生協に張り出されていた「経験不問・月収30万」という広告を見付けて飛びついたんだよね。それが最初の仕事。
- 安広
-
そんな仕事が大学の生協に出ているんですね! どんな内容だったんですか?
- 樋口
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ベンチャーの会社で、半導体の回路を小型化する技術の研究だった。論理設計だね。その仕事が結構面白かった。最初は大学行ってバイトに行ってその仕事、という生活をしていたんだけど、まずバイトを辞めて、そのうち大学ももういいかなとなってしまって休学して(笑)。そのままその会社で4年くらい働いたかな。
- 安広
-
面白い仕事だったのに、どうして辞めたんですか?
- 樋口
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その研究の結果がなかなか出なかったんだよね。だから売り上げもまったくないままだったし、ベンチャーキャピタルの人がよく会社にきてテコ入れしようとしているようでなんだかそろそろ危ないのかな、と感じてた。それで次に行こうかなと。
- S.N
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それでどうしてフレクシェに?
- 樋口
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まず、そこでの仕事はユーザーインターフェースのあるようなプログラムじゃなかったし、テスト的にスクリプトで書いたものしかやっていなかったけど、プログラミングが面白いと感じていたからプログラマーとしてやれる仕事を探した。あと大きな組織の中で製品の部品を作るような仕事はいやだったというのもあったね。そして転職サイトで見付けたのがフレクシェで、『少数精鋭』と書かれていたところに惹かれて、ここなら好きに仕事をやらせてもらえそうだと思って応募することにした。
- 安広
-
それですぐエンジニアとして仕事をするようになったんですか?
- 樋口
-
そうだね。当時のFLEXSCHEはまだパッケージソフトではなくて、案件ごとにロジックを作っていたんだけど、入ってすぐに実装などをやっていたよ。仕事をしてみたらやっぱり面白いし、自分の裁量で仕事ができるから楽しくやっていけそうだなと感じたね。
- S.N
-
プログラミング言語などの知識はあったんですか?
- 樋口
-
いや、入社前後でC#やC++を始めたから、その案件は勉強しながら進めてたね。でも雛形があったからそのロジックを書き換えれば良いし、先方が詳細な仕様書を作ってくれていたから、あとは実装するだけって感じだったから大丈夫だよ。
- 安広
-
いやいや、それすごいですよ。知識のベースがない中で勉強して、いきなり実践的な仕事をするなんて。
Q.FLEXSCHEエンジニアはどのように仕事をしているんですか?
- 樋口
-
この3人に浦野と先田を加えた5人が開発を行っています。週に一度、開発のミーティングがあってユーザーやパートナーからの要望やそれぞれのアイディアを元にどんな新機能が必要なのか、あるいはどのように実装するのが良いのかを検討して、それぞれ主担当の製品や機能の開発を進めるという具合です。
- S.N
-
でも担当が明確に分かれているわけではなく、主担当の領域も一部は他のエンジニアとかぶっているし、全員が扱う領域もあるので、分担したり得意分野によっては他のエンジニアに任せたりすることもありますね。
- 安広
-
こういう開発スタイルって、僕が前職までに関わってきた現場とまったく違うところなんですよね。多くの開発の現場って、上が決めた要件とそれに沿った設計があって、それに基づいて実装してテストして納品するという、ウォーターフォール方式だと思うんです。でも僕たちはそうではなくアジャイル的な開発で、そこにこの会社で働くことの魅力があると感じています。
- 樋口
-
やるべきことを自分が主体となって考えられるから、仕事に積極的に取り組むモチベーションにもなるよね。
- S.N
-
仕事の内容で言うと、実は僕たちはみんな開発だけをやっているわけではないんですよね。僕が主担当の製品についてお客様から問い合わせがあったらご説明にいくプリセールス活動的な仕事がありますし、展示会でプレゼンテーションをやることもあります。
- 安広
-
僕は開発以外にもトレーニングやサポート業務もやっています。S.N君は英語ができるから、社外の専門家と協力してマニュアルなどの翻訳の仕事もやっているよね。
- S.N
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そうですね。海外の展示会でプレゼンをしたこともあります。樋口さんは社内システムの構築やメールサーバの管理など、普通の会社なら情報・システムの部署がやりそうな業務をやっていますよね。
- 樋口
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人数の少ない会社だからそれぞれの分野に専任者がいるわけではなく、一人ひとりが幅広く仕事をする必要がありますから。
Q.フレクシェ社でのエンジニアとしての働き方で、
他社と違うところは?
- 安広
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納期に追われることがないというのは大きな違いだと思います。FLEXSCHEは毎年メジャーアップデートをしているけど、受託開発のように期日が決まっているわけではないので今日中に何かをしなきゃいけない、ということがないです。
- 樋口
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FLEXSCHEがパッケージソフトになる前は、お客様のスケジュールに合わせた納期があったけど、今はそういう仕事はしてないからね。
- S.N
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絶対的な納期があるかどうかで働き方の余裕はまったく変わると思います。
- 安広
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「今日は徹夜だ……」みたいな仕事は一切ないし。IT業界では珍しいですよ。
- S.N
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パートナー会でそういう話をしていたら、エンジニアさんに「S.Nさん徹夜したことないんですか!?」と驚かれました。そういう働き方じゃ僕は続けられなさそうです。
- 樋口
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追い立てられてやっても良い仕事ができない、というのがうちの会社の考え方だからね。あとお客様からの発注で仕事をするわけではないので、無理難題を突きつけられたり、費用や納期に縛られたり、妥協を強いられたりすることもなく、自分たちの製品を良くすることに集中できるのも働きやすい点だと思う。
- S.N
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あとこれは大きな会社に勤めている人から聞いた話と比べてなのですが、社内用の資料作りなんかが圧倒的に少ないと思います。
- 安広
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それは間違いないね。組織が大きくなると日報を書くなど管理のための仕事が必要になってくるけど、それは自分の身になる仕事ではないので不満に感じるポイントだよね。だから僕は転職活動時には大きくない企業で転職先を探していたなあ。
- 樋口
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社内のコミュニケーションが取れているし、開発部は毎週のミーティングがあるから仕事の進捗もそこで報告すれば良い。そもそもだれかの状況がわからなければ直接聞けるしね。
- 安広
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直接聞けるという点では、樋口さんたち上司側からだけじゃなくて僕たち部下の方からも同じだよね。
- S.N
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そうですね。上司や先輩といっても厳しい上下関係はないし、社長も含めて『仕事の仲間』という感じがします。風通しが良くて遠慮する関係性でもないので何でも質問したり、相談したりしやすい会社です。